こんにちは!Hoshです。今回はお仕事の話。
僕の本業に付随して賃貸マンションの空室をリフォームすることが、よくあるのですが、今回は10年以上お住いになられていたお部屋が空き、僕のインテリアコーディネーターの知識を生かし、リフォームプランを考えることになりました。
築年数も36年ほどの物件で、どうしたものかとリフォームプランを考えてます。今は見積もりをお願いしている段階なのですが、その経緯をシェアしたいと思います。
入居者様退去後の問題点
鉄骨鉄筋コンクリート造のマンション、2DKのお部屋です。
現状の問題点を上げると
- 至る所の経年劣化とヤニ汚れがすごい
- 和室がある
- 脱衣所がない
- 洗面台が浴室と一緒
- 室内に洗濯置き場がない(ベランダに有り)
以上が新しい入居者様にお住まい頂けるレベルにするまでの大きな問題点かと思ってます。他にも軽微な問題も有りますが、比較的簡単に解決可能です。



予算の問題
賃貸マンションの運営は事業、つまりビジネスです。
全てのお部屋を完璧に綺麗におしゃれにしたいデザイナーとしての気持ちもありますが、空室のリフォームにお金をかけすぎてもビジネスとして問題です。
つまりオーナー様の掛けるリフォームコストをある程度の年数で家賃を通して回収することを考えなければいけません。ここは様々なオーナー様の考え方があるところだと思いますが、ビジネスである以上お金の投資の仕方は必ずついて回る問題です。

効率的なリフォーム案が重要
工務店、リフォーム会社に任せっきりになさるオーナー様もいらっしゃると思いますが、そうすると多くの確率で非効率なリフォーム代を払っていることが多いと思います。
なぜなら工務店やリフォーム会社はどの設備を改修することで頂ける家賃がどの程度違ってくるか、というところまで把握していないことが多いからです。
これは工務店、リフォーム会社が悪いと言っているわけでなく専門分野の違いです。部屋を良くしようとするのが工務店、リフォーム会社のお仕事です。なので際限なく予算をかけようとするとかけれてしまうのです。
家賃を想定してリフォームプランを検討
この物件は、大阪の梅田という都会から一駅離れた場所にある物件です。ですので立地がとても良いので家賃を下げさえしていけば、入居する方は見つかるであろう物件です。
ですが家賃を下げていくとオーナーにとっては、所有不動産の市場価値を下げることに直結しますし、入居者のマナーの質も悪くなっていくことが多いです。
値下げ競争になると競合物件の築年数の新しい物件がどうしても勝ってしまいます。以上の理由からできるだけ相場の家賃から乖離せず貸し出して、不動産の市場価値も落とさないようなリフォームプランがベターかと思われます。
リフォームの内容によって家賃が変わるので以下でその内容を並べてみました。
家賃案1:高めの家賃での貸し出し。和室を洋室に回収して洗濯機置き場を室内に移動。脱衣所兼独立洗面台も設置して床と壁も一新して問題点を全て解決して、アクセントクロスなどで付加価値を部屋につける高コスト(150万円から300万円ほど)のリフォームプラン。
→問題点。高コストのリフォームをするがそのリフォームをしたところで期待できる家賃上昇幅は5000円から10000円程のUP。年間に10万ほど多く収益を上げれるがオーナーがリフォーム投資資金を回収するのに数年を要する。
家賃案2:相場家賃ほどでの貸し出し。一番反響の悪い和室を洋室に変えることと床とクロスを刷新してアクセントクロスなどで他の物件にない付加価値をつける。
浴室はペイントで見た目は新品同様に持っていく。配管の劣化具合によっては浴室ユニットバスを交換することも視野に入れる。洗濯機、独立洗面台、脱衣所はない、そのままのプラン。比較的低コストでリフォーム可能(100万円以下)。
→問題点。時代にマッチしていない設備環境が一定の入居者層を遠ざける。
家賃案3:割安家賃での貸し出し。壁紙張り替えと必要修繕箇所のみ修理してそのままの仕様で貸し出すプラン。一番安上がり(50万円以下)のリフォームプラン。
→問題点。マナーの悪い入居者層が入居する確率が上がる。家賃を滞納される可能性も上がる。
ターゲット入居者像を掴む
まずは需要を知ることが重要です。その地域の競合物件の設備や立地を比較してこの室内設備でこの家賃なら入居したい方はいてるだろうという仮説です。
僕はかなり具体的にターゲットとなる人物像を仮想して考えています。年齢、年収、性別、趣味、思考。架空の人物を作り上げその人ならこの物件を選んでくれると思いインテリアを考えます。
今回はリフォームコストを抑えたいという意向と物件の価格維持の意向があるので家賃案②の「相場家賃での貸し出し」を目標にリフォームすることに決定しました。
幸い以前お住まい下さっていた方の家賃が今の現状の家賃相場より低いので物件の価格維持というよりむしろ価格向上して貸し出すことも可能に感じています。
しかし洗濯機置き場がベランダなどのデメリットを補いながら部屋作りすることが大切になってきますので一定の方に「刺さる」リフォームが必要となってきます。そこでこの物件に刺さりそうなターゲット層を具体的に考えていきます。
仮定する入居者像:この物件の立地は梅田という都会に一駅の距離で立地が良く40㎡と広さもあります。なので20代の共働きカップルさんの入居を想定します。
どういう方か:多少の設備の不便さは合っても綺麗でおしゃれな雰囲気の部屋を好む。交通利便性や都会を好むが、そこまでハイグレードな家賃帯は好まない。ナチュラルで背伸びしないライフスタイルを好む。
そんな架空のターゲット像をイメージしてリフォーム案をリフォーム会社の方と相談しながら決めていきます。
以上の仮想ターゲット層のことを考えて出た部屋のテーマは「白を基調としたフレンチシャビー」です。予算が限られていて40平米の広さで2DKと細かく区画割れしている間取りなので広々した抜け感は出せませんが、床をヘリンボーン柄にすることで少しでもテーマに近づけることができればなぁと今のところ考えています。

このお部屋のその後
リフォームイメージとプランが完成したので、後は無事業者さんの施工が終わるのを待つのみです。